LINEのビジネス利用が全てわかる 総まとめ
目次
LINEのビジネス向けアカウントとは?
LINEのビジネスアカウントは、4つある
通常、プライベートなコミュニケーションアプリとして、LINEを使っている人は多いだろう。
そんなLINEが、企業向けに消費者とのコミュニケーションを主な利用シーンとして提供しているのが、LINEのビジネスアカウントだ。
LINEのビジネスアカウントは、以下の4つされる。
※正確には、カスタマーコネクトも合わせると5つだが、カスタマーコネクトは他4つと比較して性格が異なるのと、マーケティング活用からは離れるため、ここでは省略する。
補足情報ではあるが、この中で、唯一「LINE@」だけはLINE本体が提供しているわけではなく、グループ会社のLINE Pay(旧LINE Business partner)が提供している。
LINEのビジネス向けアカウントの違いとは?
大きく違うが、その違いは一見してもわかりづらい?
続いて、LINEの4つのビジネスアカウントの違いを見ていく。
出典:LINE 媒体資料
詳細は上記の比較表に記載してあるので、見て欲しい。
どうだろう、理解いただけただろうか。まあ、記載された項目そのものがLINE用語であったり、補足も多かったりで、結構わかりづらい印象。
簡単に説明する。
まず、大きく分けて、一般アカウントと、API型アカウントに分かれる。
API型アカウントとは
API型アカウントとは、平たく言えば、外部のシステムと連携して、顧客のLINEに対してプッシュ配信することができるアカウントだ。
例えば、企業の保持するデータベースと連携して、過去の購買履歴に基づいたオススメ情報をLINEで配信する、なんてことができる。
ビジネスコネクトとは
API型公式アカウントと、ビジネスコネクトがAPI型アカウントの対象になる。(正確には、LINE@にもプランが複数あり、プロAPIプランと言うのはAPI型アカウントになる)
ビジネスコネクトを用いることで、企業データベースと連携して、消費者とLINEにおけるコミュニケーションを最大化し、LINEマーケティングを効果的に実現することができる。
出典:LINE 媒体資料
公式アカウントとは
一方で、公式アカウントはAPI型ではないので、データ連携やプッシュ配信ができない。
その代わりに、公式アカウントの醍醐味であるスタンプ配信が可能だ。あなたも一度は企業のスポンサードスタンプを手に入れたことはないだろうか。友達登録などと引き換えに、無料でもらえるスタンプだ。
友達登録のためのプロモーションとしては、未だにピカイチの集客力を持つ広告商品だろう。一回のプロモーションで、400万人の友達登録を達成した取り組みも存在する。もちろん、ブロック率もなかなかだが…
API型公式アカウントとは
API型公式アカウントというのは、その公式アカウントと、ビジネスコネクトを足したようなプランで、すべての機能が利用できる。
LINE@とは
最後にLINE@について触れる。
まず、LINE@は、これまでの3つのアカウントとはターゲットが大きく異なる。主なターゲットは店舗運営や個人事業主などのスモールビジネスだ。価格は無料から月額3万円まで、と他3アカウントと比較しても非常に安く導入できる。
では、機能としてはどうか。実は、LINE@の最上位プランであるプロAPIの場合、実現可能な機能としては、LINEアカウントの中でも最も機能が充実したAPI型公式アカウントと限りなく近い。公式アカウントと同様、LINE公式アカウントとして検索ができる(認証アカウントに限り)し、ビジネスコネクトのように、企業データベースと連携したプッシュ配信も可能だ。
では、何が異なるのか。
API型公式アカウント(ビジネスコネクト)とLINE@の違い
主な違いは以下2点に集約される。
1.メッセージ配信が可能な有効友達数
2.無料スタンプ配信
1.メッセージ配信が可能な有効友達数
LINE@はベーシックプランで5000、プロプランで10万人というのが上限になる。
一方で、API型公式アカウント(ビジネスコネクト)の場合は、10万人以上のプランがあり、段階的に料金が設定されている。
ちなみに、少なくとも本記事を書いている現在時点では公開されていないが、LINE@でも10万人以上のプランは存在している。
おそらくAPI型公式アカウント(ビジネスコネクト)が売れなくなるので、LINEからは大体的には公開されていない。
当社はLINE@の10万人以上のプランの価格表を持っているので、詳しくはお問い合わせいただきたい。
→お問い合わせ
2.無料スタンプ配信
いわゆるナショナルクライアントがよく実施している、企業キャラクターのスタンプが無料ダウンロードできて、期間限定で利用できるキャンペーンの事だ。上述した通り、爆発的な集客力があり、LINEの友達増加は大いに期待できる。一方で、価格は数千万円以上と、誰でも手が出せる内容ではない。
本記事の後半でも扱うが、API型公式アカウント(ビジネスコネクト)にあって、LINE@にないのは、この集客ソリューションだ。LINE@の友達増加の施策は本記事の後半で扱うので参考にして欲しい。
アカウントごとの企業事例
LINEビジネスアカウントの違いを説明してきたが、世の中にある具体的なLINEアカウントでご紹介する。
LINE公式アカウント
アサヒ飲料
LINE公式アカウントの事例として、アサヒ飲料を取り上げる。本記事の公開前後だと、約1000万人の友達登録があるビッグアカウントだが、少なくとも現時点では、ビジネスコネクトの要素はない。いわゆる通常のLINE公式アカウントと見て取れる。(実際のところ、アカウントを見ただけでは、LINE公式アカウントとLINEAPI型公式アカウント(ビジネスコネクト)の区別はつかない)
ぜひLINEの公式アカウント検索から、探して友達登録して見て欲しい。
LINE@
スポーツクラブNAS
LINE@の事例では、スポーツクラブNASを取り上げる。LINE@は、スポーツジムや、飲食店など、店舗で利用されるケースが非常に多いのが特徴。月額無料〜3万円で利用できる点が、店舗や小規模事業者に受ける利点でもある。クーポンの配信やスタンプカードなど、CRMツールのように利用することもできる。
企業がLINEビジネスアカウントを利用する上での課題
LINEビジネスアカウントについて、魅力を含めて説明してきたが、実は企業にとっていいことばかりではない。
当然だが、LINEビジネスアカウントには費用がかかる。しかも、その費用は、API型公式アカウント(ビジネスコネクト)であれば数千万円と言う初期費用に加えて、月額費用でも250万円以上の費用がかかる。それらのコストをペイできる効果を出すことができなければ、当然に企業は継続利用することは難しくなる。
予算消化であれば、別だが。。
では、企業がLINEビジネスアカウントで、費用対効果を出す上での問題点とは何か。
「ピコん!あ、LINEきた。うわ、企業からの広告だよ。うざいからブロックしよ…」。そう。
ブロック率だ。
LINEビジネスアカウントを導入している企業で、このブロック率を気にしていない企業はないだろう。なぜなら、せっかく多額のコストをかけて、集客した見込み客(=LINEの友達)が、次々と消えていくわけですから。
LINEビジネスアカウントを運用している企業のマーケターは、休みの日すらLINEのブロック率が頭から離れないほどに、悩んでいるかもしれない。
では、そのLINEのブロックはなぜ起きるのか。そもそも、一度でも友達になってくれたということは、少なからず当時は興味関心があったはず。なのに、なぜブロックするのか。
一言でいえば、LINEビジネスアカウントを通じて、ユーザーにとって不要な情報を送っているからだ。
まさに、上述したような例。
LINEはほとんどの人がメッセージを既読にする(中身を本当に見ているかは別として)、企業にとっては、非常に有力なコミュニケーションツールですが、それを使いこなせないと、コストの垂れ流しになる。
どうすればいいのか。
次の章から説明していく。
LINEがMessaging APIを公開
Messaging APIを聞いたことがあるだろうか。ある人は、この章は飛ばしていただいて問題ない。
LINEでのコミュニケーション用のプロトコルを公開することで、LINEをプラットフォームに、個人を含めた様々なディベロッパーがLINE関連サービスを開発できるようにした、LINEが提供するサービスだ。例えば、Messaging APIを使うことで、誰でも簡単に、LINEでのコミュニケーションを自動化するLINEチャットボットを開発できる。
これは2016年の4月にLINE社より公開され、その後、20万以上のLINEチャットボットが作成されている。
LINEチャットボットとは?
チャットボットという言葉が出てきたが、簡単にチャットボットについて説明する。チャットボットは、チャットとロボットを掛け合わせた言葉で、チャットを自動化するプログラムの総称。LINEチャットボットは、LINEというチャットアプリでのコミュニケーションを自動化するチャットボットだ。
さっぱり何を言っているかわからない人向けに、事例をいくつかご紹介する。
LINEチャットボットの事例
LINEチャットボットの事例についても、LINEのアカウント毎に紹介する。
なお、公式アカウントではAPIの利用はできないため、API型公式アカウント(ビジネスコネクト)とLINE@で説明する。
API型公式アカウント(ビジネスコネクト)
ナビタイム
API型公式アカウント(ビジネスコネクト)の事例では、ナビタイムのLINEアカウントがいい事例だ。
ビジネスコネクトアカウントであるため、ナビタイムの会員情報との連携ができる。例えば、LINE上で、メニューから「設定」を押すと、自分が普段使う駅を設定できる。そこで、自分の路線を設定しておけば、メニューから「My乗り換え」や「My運行情報」にて、ワンクリックで路線情報が取得できる。とても便利なLINEのビジネスアカウントだ。
この仕組みは、まさにビジネスコネクトの代表的な活用方法で、企業の持つサービスやデータベースとの連携を行うことで、LINEのビジネスアカウント上でできることが飛躍的に広がる。
LINE@
バス市場(トラベルマルシェ)
LINE@の事例では、トラベルマルシェのバス市場を取り上げる。ここのLINE@には正直驚いた。なんと、LINE@上で、高速バスの検索から座席予約ができる。WebでできることをLINEで簡単にできる、というのが価値になるだろう。そして、友達になってから数日後、クーポンが届いた。LINE@限定のクーポンだという。これはなかなか面白い。
LINEのビジネス利用の肝はチャットボットの活用
LINEのビジネス利用は、ここ数年で一気に進んだ。特に低コストで利用が可能なLINE@の台頭により、消費者にとっても、LINEの企業アカウントと友達になることに対する抵抗も昔ほど大きくはないのではないだろうか。
ここまで本記事を読んでいただき、LINEビジネスアカウントの導入を焦った人は、少し待って欲しい。
LINEは消費者には圧倒的な勢いで、普及しているし、企業にも普及してきた一方で、実は、企業のLINE離れも始まっているという。
LINEビジネスアカウントを活用しきれない企業が、費用対効果が見出せず、LINEの運用を諦める選択をするケースが出てきている。
成功事例もたくさん出てきている。
LINEのビジネスアカウントに投資をして、費用対効果を出すことは確実にできる。
ただ、そのためには、様々な工夫が必要になる。
その一つの鍵が、LINE本体が自ら提供しているMessaging APIを活用した、チャットボットだ。
ただ、そんなチャットボットにも弱点がある。
LINEチャットボットの弱点は集客
LINEチャットボットの弱点は集客にある。
という書き方をすると、すごく違和感を覚える人もいると思う。それも当然で、チャットボットはあくまでもコミュニケーションを円滑に進めて、効率化やコンバージョンを獲得していくためのコミュニケーション手段でしかない。なんなら、LINEアカウントそのものが、あくまでもコミュニケーションツールでしかない。LINEはEメール(LINEの企業アカウントは、メルマガ)を代替していると言われるが、そう考えたら極当たり前の考え方だ。メルマガを始めたら、勝手に読者が増えるかというと、そういうわけではないはずだ。
また、チャットボットについて更にいえば、LINEのチャットボットに限ったことではない。チャットボットというのは、目の前にいるユーザーとのコミュニケーションを最大化・自動化するツールであるので、そもそもそこにユーザーがいなければ、全く活用することはできない。
たまに勘違いされるのだが、チャットボット自体は集客には向かない。集客してきたユーザーと、1:1のコミュニケーションを自動的に取り、効率化や、プロモーションの一環として利用することが得意なのだ。
LINEチャットボットに限らずだが、LINEビジネスアカウントや、付随するチャットボットの導入の際には、必ず、集客手段は別に考える必要がある。
これは間違いないし、後回しにされがちなので、もう1度言うが、
LINEビジネスアカウント、チャットボットの導入の際には、必ず、集客手段は別に考える必要がある。
どのような集客手法があるのか。
LINEビジネスアカウントやチャットボットの集客手法については、別記事で詳しくご紹介するが、少しだけ触れておく。
出典:LINE AD CENTER
まず考えられるのは、LINEが提供している広告だ。LINE Ads Platform (通称:LAP広告)と呼ばれている。
その中でも、LINEの友達登録を増やすための専用広告がいくつかある。従来型のフィード広告などとは違って、友達登録当たりの単価で費用発生する、CPAでの出稿が可能なサービスもある。
1件当たり20円〜友達を増やすことができるという点では、上記の広告サービスは魅力的に見えるかもしれないが、広告経由の友達のブロック率などを考えると、必ずしも効果がいいとはいえない。それも、商材や期間など、いくつかの条件によって、判断する必要がある。
LINEビジネスアカウント、チャットボットの集客周りについては、まだまだ世の中の成功事例数が十分ではなく、大手広告代理店などでも、クライアントからの相談に対して、十分な提案ができていないのではないだろうか。
LINE及びFacebookの集客、チャットボット開発におけるコンサルティングを手がけてきた当社の強みを活かしたご提案にご関心のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。