ネイティブアプリは不要?LINEのミニアプリが十分すぎる理由とは

ネイティブアプリは不要?LINEのミニアプリが十分すぎる理由とは

1-1.ネイティブアプリ市場の現状は!?

出典:LINE@で販促・ファンを獲得!無料アプリで簡単に始めるビジネス向けLINE
https://at.line.me/jp/

 Appleから世界で初めてのスマートフォンであるiPhoneが発表されて10年、世界には200万を超えるアプリが流通しています。数年前までは、アプリを開発により、新たなサービスを提供することは、非常に強力なモバイル戦略となっていました。

スマートフォンのユーザーは、積極的にアプリをダウンロードし、その数は年々急激な増加を続けてきました。

 しかし、近年状況が変化し、ユーザーは以前ほど新しいアプリをダウンロードすることに関心を持っていません。それはなぜなのか。モバイルアプリダウンロード数の統計を見ると、特定の市場でダウンロード数が横ばいになっている状態です。

特に近年の米国市場の場合、アプリのダウンロード数は、2016年から2018年にかけて5%の増加に留まっています。

 Apple Storeのアプリ数についても、近年はほとんど増加しておらず、頭打ちとなっているのが現状です。これはAppleが認定基準を厳しくしたことが影響していると考えられますが、それにしても、ほとんど増加していない今の現状は、注目すべき点であると言えます。
 
 アプリの新規登録が増加していない事とは対照的に、アプリから得られる収益は70%も増加しています。これは当初のアプリ市場は、多様性に重点が置かれていましたが、今後はよりプラットフォームサービスに重点が置かれるようなっている現象の表れであると考えられます。

 これまでのようなアプリ需要は、将来失われているかもしれません。世の中にApple storeが登場して以来、ネイティブアプリ市場の需要が減少するという未来は、すぐそこに来てるのかもしれません。

1-2.LINEのミニアプリとは!?

出典:cnet LINE、チャットボットで顧客対応できる「カスタマーコネクト」を正式販売
https://japan.cnet.com/article/35099604/

 LINE株式会社が提供するLINEとは、ユーザ同士がスマートフォンやパソコンを介してインターネット電話やテキストチャットを活用することができるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。

最近、LINEなどのネイティブアプリをインストールすると、そのアプリには「ミニアプリ」と呼ばれる補助的なアプリが提供されており、そのプラットフォーム上で様々なユーザー体験ができるようになりました。アプリを新規導入するよりも、大手プラットフォーム向けに「ミニアプリ」を作成することで、新たなビジネスモデルを構築できる可能性が出てきています。このモデルを活用することで、現状のアプリの機能に加えて、付加価値の高いサービスを展開できることができるようになると考えられています。

 その一例としてLINEでは、アプリ上で動作するチャットボットサービスを展開しています。チャットボットとは、友人と会話するのと同じように、トーク画面でチャットボットに対してメッセージを送ることで、ユーザーに自動で返答してくれるサービスのことです。このサービスを活用することで、企業の問い合わせ対応の効率化や、ユーザーの要望に合わせたサービス改善などが可能になってきています。 

 LINEでは、チャットボットなどの「ミニアプリ」サービスを積極的に展開しており、ユーザー自身もLINEを活用することで、簡単にアプリを作成することができます。今や新たな付加価値サービスを開発するためのアプリ開発は古い考え方になっており、従来のアプリに組み込む「ミニアプリ」の開発が主流となりつつあります。

2.企業での活用事例

企業でのLINEチャットボット活用事例を2つ紹介いたします。

(1)ア二コム損害保険


出典:業界初!「LINE」で保険金請求が3分で可能な新サービスを開始   
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2017/news_0170517.html

 ベット保険大手のアイコム損害保険では、LINEの対話アプリ上で動作する人工知能(AI)を搭載したチャットボットを活用し、保険販売を開始しています。アイコム損害保険は、犬や猫などの医療費を補填するサービスを展開しており、チェットボットを活用することで、簡単な操作で加入手続きができる様になります。

 加入申し込みは、チャットボットの支持に従い、ペットの種類や年齢・健康状態を入力することにより、10分程度で完了します。従来では、ペットショップ経由での加入が大部分を占めていましたが、SNSを活用することで、更なる加入者の増加を目指しています。

(2)ハナユメ


出典:業界初・LINEでAIが結婚式場探しをお手伝い!ぴったり式場診断   
https://hana-yume.net/howto/hanayumeai/
 ハナユメとは、お得な結婚式プランを数多く紹介しているウェディングサイトです。LINE上で「ハナユメAI」を友達追加し、簡単な質問に答えるだけで、要望に沿った結婚式場を探せる「ぴったり式場診断」や、ブライダルフェアの検索が可能になる「フェア検索」が利用できます。
 
質問は全部で7〜8つとなっており、難しい質問は無いため、誰でも簡単に始めることができます。自分の隙間時間に簡単に式場探しができるのも、活用メリットとなっています。

3.LINEチャットボットを活用するメリットとは!?


出典:問い合わせ対応業務を35%も効率化!チャットボットの事例・価格・
https://ai.userlocal.jp/document/explain/

 LINEチャットボットを活用するメリットは多数あります。まず最初に挙げられるのが、企業のカスタマーセンターなどが行なっているお客さまからの電話や、メール対応の軽減が可能になることが挙げられます。新規加入などの定型的な問い合わせは、チャットボットを活用することで負担が軽減され、問い合わせ対応のスピードが向上し、ミスを減らす事が可能となります。
 
 もう一つが24時間対応が可能になる点です。チャットボットはロボットであるため、24時間動作させることができ、利用者はいつでも必要な情報を得ることができ、疑問やトラブルをすぐに解決することが可能となり、顧客満足度の向上が期待できます。

 さらにチャットボット対応で得た利用者の疑問や質問を、問い合わせログとして蓄積することで、顧客の声分析などの定量評価が可能になります。これらのログを活用した分析を実施することで、サービス改善を迅速に行うことができ、顧客離れを防ぐことが可能になります。

4.こんな活用もできるミニアプリ(チャットボット)

 日本の企業において活用が盛んになってきたAIサービス。LINEのミニアプリを活用すればこんなことができます。

(1)リマインダー
 チャットボットを活用することで自分の予定を自動で教えてくれるチャットボットを作成することができます。予定の時間になれば、自動でプッシュ通知を行うなど、まるで秘書がいるかの様な対応をすることが可能です。

(2)配達の集荷依頼&再配達の依頼
 従来では、電話により集荷や再配達依頼を行っていましたが、LINEのチャットボットを活用することで、チャットにより依頼することが可能になります。従来での電話による依頼は、電話による応答のほか、入力操作などが多数あり、非常に面倒でしたが、チャットボットを活用することでストレスなく依頼をすることが可能になります。

(3)宅配サービス
 これまでは、電話によりピザなどの宅配サービスを依頼していましたが、サービス提供事業者がチャットボットを活用することで、チャットにより宅配の依頼が可能になります。チャットボットにお財布として仮想通貨を持たせておいて、支払いはチャットボットが自動でやってくれるなんていう未来もそう遠くはないかもしれません。